「お疲れ……」

「坂本、お疲れ」

「おつかれさま」

 それから、俺たちは坂本と共に裁判所を後にすることにした。

 白いフリードに乗り、坂本はエンジンをいれる。

「あとは、判決が下るだけだな」

「そうやな。はぁ……。疲れた」

 弁護士は、被疑者の罪を少しでも軽くするために、検察官の台詞や証拠を常に諦聴(ていちょう)しておかなければいけない。

 裁判は基本長時間かかるため、かなり疲れるのだろう。

「私は、結菜ちゃんが犯した罪じゃないことを証明したかった。やっと、ここまでこれて本当によかったと思う。本当に心崎たちには昔から頭があがらんわ」

 なぜ、坂本が複数形で呼んでいるのか俺には分かる気がした。