かき氷を食べ終えて、それから僕らは先ほどいた場所で、アザラシのエサやりを体験することになった。
やはりこれも人気のひとつのようで、僕らがかき氷を食べて休憩している間に多くの人だかりができていた。
「蒼君、すごい人だね!」
「うん、こんなに人だかりができるとは思わなかったよ。ペンギンより多いんじゃない?」
「確かにね!」
結菜と共に最後尾に並び、話とゲームをしながら待っていた。
「マジカルバナナ! バナナと言ったら黄色!」
「黄色と言ったらレモン」
「レモンと言ったら果物!」
「果物と言ったらリンゴ」
「リンゴと言ったらスマホ!」
「スマホと言ったら自撮り」
「自撮りと言ったら……んー! 分からない!」
結菜は詰まってしまい、僕が今回のゲームは勝った。
「自撮りって言ったら、坂本さんじゃない?」
「あぁ~‼ 確かに! 桜ちゃん、自撮りしていそうだね!」
結菜にゲームに勝てて嬉しい。
「次は何する?」
「なんでもいいよ」
僕らはそれからリズムゲームをして、エサやりまで待った。
長蛇の列はいつの間にか僕らを前に押し寄せていた。
エサが入ったカップをふたつ、僕は飼育員らしいお姉さんから受け取ると、結菜に渡した。
「ありがとう!」
ヒュウヒュウと餌をちょうだいと言わんばかりにアザラシが鳴く。
結菜はそれに反応して、
「はい、餌だよー!」
と餌の魚の切り身を、アザラシの口元に運ぶ。
アザラシは、ぱくりとそれを食べて、物足りないのかまだまだちょうだいとひと鳴きする。
僕の餌を次は食べてくれた。
交互に僕と結菜の餌を食べるアザラシの食欲に僕は驚かせられる。
「この子すごいね。もう私の餌食べちゃった」
空になったカップを僕に見せながら、結菜は笑う。
僕も先ほどあげたのが最後だった。
「このあとどうする?」
アザラシへの餌やりを終えた僕らは、一度手を洗ってから、手持ちぶさたになってしまった。
僕にとっては予想外のことだったので、少し焦る。
しかし、それと同時に結菜に喜んでもらうため、サプライズだって考えているのだ。
まだ、時間はある。
夕食を共にするという事は結菜に事前に伝えてある。
でも、さすがにまだ早すぎる。
策が尽きた僕は、
「ねぇ、結菜。少し休憩がてらに色々なところにまわろっか」
こう言うしかなかった。
うん、仕方ないよね。
「じゃあ、もう一度ペンギンコーナーに行っていい?」
結菜についていくと、ペンギンコーナーには、人はあまりおらず、ペンギンが自由に泳いだり、餌やりの時に食べ損ねた餌を食べたりと各々自由にしていた。
アオイペンギンは眠たそうにしていた。
ペンギンがいつ寝るのか僕には詳しく分からないが、昼寝でもしているのだろう。
「可愛い!」
結菜は触れ合い体験と同じように目を輝かせて、ペンギンを見ていた。
「可愛いよね。僕もペンギン好きだなぁ……」
「お! 蒼君と好みが共有出来ちゃった! これは、青色に染まるんじゃない?」
「あれ? 結菜は抹茶色じゃなかったっけ?」
「むー! 何色でもいいじゃない!」
頬を膨らませて、ポコポコと僕の胸をたたく結菜。
「あはは。結菜はやっぱり可愛いね」
「あ……ありがと。やっぱり素直に褒められるの慣れてないや」
結菜の顔はトマトのように真っ赤だった。
素直に褒められて、嬉しかったのだろう。
「そういえば、蒼君ってお姉さん居るんだよね?」
「うん。そうだよ。どうしたの?」
「や、聞いてみただけ」
「ふーん、結菜は?」
「私は、お母さんとお父さん居ないの」
そういう結菜の表情が曇ったのが、分かった。
同時に言ってしまったとハッとした顔にもなっていた。
「あ、今のは忘れて」
「ごめん、僕も不用意に聞いちゃって」
「いやいや、蒼君は悪くないよ。私、トイレ行ってくるね」
結菜は無理に笑顔を作ってそう言った。
「……いってらっしゃい」
初めて表情を曇らせてしまった。
申し訳なくなってしまったからか、サプライズを用意するためには結菜が居ない今が適切だからと思ったからか僕は結菜に喜んでもらうためにある場所に行くことにした。
やはりこれも人気のひとつのようで、僕らがかき氷を食べて休憩している間に多くの人だかりができていた。
「蒼君、すごい人だね!」
「うん、こんなに人だかりができるとは思わなかったよ。ペンギンより多いんじゃない?」
「確かにね!」
結菜と共に最後尾に並び、話とゲームをしながら待っていた。
「マジカルバナナ! バナナと言ったら黄色!」
「黄色と言ったらレモン」
「レモンと言ったら果物!」
「果物と言ったらリンゴ」
「リンゴと言ったらスマホ!」
「スマホと言ったら自撮り」
「自撮りと言ったら……んー! 分からない!」
結菜は詰まってしまい、僕が今回のゲームは勝った。
「自撮りって言ったら、坂本さんじゃない?」
「あぁ~‼ 確かに! 桜ちゃん、自撮りしていそうだね!」
結菜にゲームに勝てて嬉しい。
「次は何する?」
「なんでもいいよ」
僕らはそれからリズムゲームをして、エサやりまで待った。
長蛇の列はいつの間にか僕らを前に押し寄せていた。
エサが入ったカップをふたつ、僕は飼育員らしいお姉さんから受け取ると、結菜に渡した。
「ありがとう!」
ヒュウヒュウと餌をちょうだいと言わんばかりにアザラシが鳴く。
結菜はそれに反応して、
「はい、餌だよー!」
と餌の魚の切り身を、アザラシの口元に運ぶ。
アザラシは、ぱくりとそれを食べて、物足りないのかまだまだちょうだいとひと鳴きする。
僕の餌を次は食べてくれた。
交互に僕と結菜の餌を食べるアザラシの食欲に僕は驚かせられる。
「この子すごいね。もう私の餌食べちゃった」
空になったカップを僕に見せながら、結菜は笑う。
僕も先ほどあげたのが最後だった。
「このあとどうする?」
アザラシへの餌やりを終えた僕らは、一度手を洗ってから、手持ちぶさたになってしまった。
僕にとっては予想外のことだったので、少し焦る。
しかし、それと同時に結菜に喜んでもらうため、サプライズだって考えているのだ。
まだ、時間はある。
夕食を共にするという事は結菜に事前に伝えてある。
でも、さすがにまだ早すぎる。
策が尽きた僕は、
「ねぇ、結菜。少し休憩がてらに色々なところにまわろっか」
こう言うしかなかった。
うん、仕方ないよね。
「じゃあ、もう一度ペンギンコーナーに行っていい?」
結菜についていくと、ペンギンコーナーには、人はあまりおらず、ペンギンが自由に泳いだり、餌やりの時に食べ損ねた餌を食べたりと各々自由にしていた。
アオイペンギンは眠たそうにしていた。
ペンギンがいつ寝るのか僕には詳しく分からないが、昼寝でもしているのだろう。
「可愛い!」
結菜は触れ合い体験と同じように目を輝かせて、ペンギンを見ていた。
「可愛いよね。僕もペンギン好きだなぁ……」
「お! 蒼君と好みが共有出来ちゃった! これは、青色に染まるんじゃない?」
「あれ? 結菜は抹茶色じゃなかったっけ?」
「むー! 何色でもいいじゃない!」
頬を膨らませて、ポコポコと僕の胸をたたく結菜。
「あはは。結菜はやっぱり可愛いね」
「あ……ありがと。やっぱり素直に褒められるの慣れてないや」
結菜の顔はトマトのように真っ赤だった。
素直に褒められて、嬉しかったのだろう。
「そういえば、蒼君ってお姉さん居るんだよね?」
「うん。そうだよ。どうしたの?」
「や、聞いてみただけ」
「ふーん、結菜は?」
「私は、お母さんとお父さん居ないの」
そういう結菜の表情が曇ったのが、分かった。
同時に言ってしまったとハッとした顔にもなっていた。
「あ、今のは忘れて」
「ごめん、僕も不用意に聞いちゃって」
「いやいや、蒼君は悪くないよ。私、トイレ行ってくるね」
結菜は無理に笑顔を作ってそう言った。
「……いってらっしゃい」
初めて表情を曇らせてしまった。
申し訳なくなってしまったからか、サプライズを用意するためには結菜が居ない今が適切だからと思ったからか僕は結菜に喜んでもらうためにある場所に行くことにした。