願ったり叶ったりとはこのことだ。

 僕らの思い出の場所である図書室に飯島さんを誘って、告白するつもりだった。

 誘いを省き、しかも僕の執筆に手伝ってくれると言う。

 こんなチャンスもうないだろう。

 予定通りに僕は執筆が終わった後、飯島さんに告白する。

 授業を四時間、そして食堂で昼食を食べて、二時間の授業を受ける。

 この先に楽しいことが待ち受けると時間はどんどんと過ぎていく。

 HR(ホームルーム)の時間に先日行ったテストの結果が帰ってきた。

 国語は、98点。

 一問しょうもないミスで落とすという事を目をつむれば、いつも通りだ。

 数学は90点、科学は84点、現代社会は87点と予想より高得点だった。

 英語は95点、簿記は89点とこちらも予想を上回る結果だ。

 ちなみに、順位は300人中の12位。

 前回より4位あがった。

 絶好の白星スタートを切った二学期は成績表を見るのが少し楽しみになった。

 飯島さんはホクホク顔で席に戻ってきた。

「不知くん! やったー! 学年1位だー!」

「おおっ。よかったね。おめでとう!」

 久しぶりに興奮した。

 飯島さんは、見事に有言実行をして、学年1位を手にしたのだ。

「これも不知くんのおかげだねっ!」

「いやいや、こっちのセリフだよ。僕も順位あがったから。本当にありがとう」

「えへへー! どういたしまして!」

 飯島さんは笑顔でそう言い、カバンを持って、こちらを振り向く。

「図書室に行こっ!」

「うん。いこう」

 僕らは、図書室に移動した。