結局、僕が一番最初に歌うことになり、驚異の点数に場の雰囲気が温まった。
「不知、ヤバッ、あんた上手すぎやろ。あたしらがヤバく感じんねんけど」
「いやいや、そんな事ないって……」
「96点叩き出しているやつが言うなよー……」
うん、我ながら高得点を叩き出してしまった。
サビを歌っている時、飯島さんが合いの手を合わせてくれていたのを僕は見ていた。
それは非常に嬉しかったし、歌っている間も顔がにやけそうになった。
けど、今の僕は冷静になってか、こんな浮き足状態でいいのだろうかとも思っている。
飯島さんに対しての気持ちが膨れ上がってきている今、なにをしてもおかしくないと思っている。
ニュースで元恋人へのストーカーなどの被害があるのは、その人への想いが強すぎるが故に、自我を失って行動していると僕は考えている。
もちろん、それはいけないことだし、その人を好きになったからと言って、傷つけていい理由にはならない。
だが、気を抜いてしまえば僕は自身が何かをやらかしてしまうのではないかと思っている。
恋心は、恐ろしい。
本当にどうしたら、いいのだろう。
何度、考えても答えは出てこないから、窮地に追い込まれている。
それに比べれば、小説の世界での恋は綺麗だと思う。
苦悩もするが、最後には同じ気持ちだったり、結ばれることが多い。
だけど、現実はそうもいかない。
一度、その想いを伝えてしまって、もし、想いが実らなかったら、関係が大きく変わってしまう。
初恋は、叶わない──
ある恋愛小説で初恋を忘れられない主人公が、最後に放ったセリフだった。
──こんな気持ちは初めてだ。
心苦しく、自分の事なんてほったらかしでその人の事を考えてしまう──
恋心を自覚し、まさに今の僕のように悩んでいる主人公が親友に話していたセリフ。
本当にそうなのかもしれない。
自分の事なんて、まるで無いようにほら、今も。
僕は楽しそうにノリノリで歌っている飯島さんの事を見つめているから。
「不知、ヤバッ、あんた上手すぎやろ。あたしらがヤバく感じんねんけど」
「いやいや、そんな事ないって……」
「96点叩き出しているやつが言うなよー……」
うん、我ながら高得点を叩き出してしまった。
サビを歌っている時、飯島さんが合いの手を合わせてくれていたのを僕は見ていた。
それは非常に嬉しかったし、歌っている間も顔がにやけそうになった。
けど、今の僕は冷静になってか、こんな浮き足状態でいいのだろうかとも思っている。
飯島さんに対しての気持ちが膨れ上がってきている今、なにをしてもおかしくないと思っている。
ニュースで元恋人へのストーカーなどの被害があるのは、その人への想いが強すぎるが故に、自我を失って行動していると僕は考えている。
もちろん、それはいけないことだし、その人を好きになったからと言って、傷つけていい理由にはならない。
だが、気を抜いてしまえば僕は自身が何かをやらかしてしまうのではないかと思っている。
恋心は、恐ろしい。
本当にどうしたら、いいのだろう。
何度、考えても答えは出てこないから、窮地に追い込まれている。
それに比べれば、小説の世界での恋は綺麗だと思う。
苦悩もするが、最後には同じ気持ちだったり、結ばれることが多い。
だけど、現実はそうもいかない。
一度、その想いを伝えてしまって、もし、想いが実らなかったら、関係が大きく変わってしまう。
初恋は、叶わない──
ある恋愛小説で初恋を忘れられない主人公が、最後に放ったセリフだった。
──こんな気持ちは初めてだ。
心苦しく、自分の事なんてほったらかしでその人の事を考えてしまう──
恋心を自覚し、まさに今の僕のように悩んでいる主人公が親友に話していたセリフ。
本当にそうなのかもしれない。
自分の事なんて、まるで無いようにほら、今も。
僕は楽しそうにノリノリで歌っている飯島さんの事を見つめているから。