飯島さんが転校してから、僕の生活リズムが大きく変わった気がする。
彼女は、人付き合いをいつも大事にしていて、敬意を忘れない。
僕には出来ない事を平然とやってのける。
例えば、初対面の人に話しかけ仲良くなったり、その人の趣味に合わせて自分も楽しんだり、時折甘い言葉で揺さぶったり、こんな自分自身の事しか考えていなかった僕を〝友達〟と言ってくれたり。
普通なら、面倒くさいし、恥ずかしいから誰も言ってくれやしない。
※※※※※
そして、6月の中旬頃。
暑さが本格的に増してくる時期。
「この川の名称は〜。そしてここで生まれた文字は〜……」
暑さと集中力の無さで授業内容なんて頭に入ってこない。
これからどんな小説を読もうか、それとも行きつけのカフェでゆっくり小説でも書こうか。
なんて考えていると、ツンツンと右隣から肩をつつかれた。なんだろうとチラリと右を見てみると、机に突っ伏して、寝たフリをしている飯島さんが居た。
寝たフリをしているのだろうけど、バレバレなんだよね……。
「……バレてるよ」
そう言ってあげると、いかにも今起きましたよ感をだして、
「え? どうしたの?」
と驚いた声をだした。
僕は面倒くさそうな眼を送ると、バレたと判断したのか、
「え〜。面白くないなぁ……。不知くんならなにか面白い反応をしてくれると思ったのに」
唇を尖らして、全然面白くなさそうに僕を見ていた。
「しょうがないよ、僕は芸能人じゃないから。そんなに面白い反応は期待しないでね」
「え~~! あっ、すみません」
飯島さんが唇を尖らしていたところ、社会科授業担当の松本先生が「飯島さん、不知君、授業中!」と言い、注意した。
僕らの声はかなり大きくなっていたようだ。
僕も、慌ててすみませんと返す。
飯島さんと会わなかったら、怒られる事は無かったな……。
彼女と出会って一番に変わったことは喋る事が多くなったことだなとふと思った。
ブーとまだ唇を尖らしている飯島さんを放って、僕は流石に二度目の注意はマズいと思い、真面目に授業を受けた。
今日習ったことは日本史【旧石器時代〜古墳時代古代の朝鮮半島について〜】だった。
幸い、高校一年生の時の復習も兼ねて、ゆっくりのペースで進んでいたので飯島さんと喋っていた時の内容は【まとめ】の際に確認し、ルーズリーフにまとめた。
来週の月曜日に夏休み直前総合復習テストというのがあるので是非とも400人ほど居る2年生の生徒の中で、50位くらいには入りたいものだ。
彼女は、人付き合いをいつも大事にしていて、敬意を忘れない。
僕には出来ない事を平然とやってのける。
例えば、初対面の人に話しかけ仲良くなったり、その人の趣味に合わせて自分も楽しんだり、時折甘い言葉で揺さぶったり、こんな自分自身の事しか考えていなかった僕を〝友達〟と言ってくれたり。
普通なら、面倒くさいし、恥ずかしいから誰も言ってくれやしない。
※※※※※
そして、6月の中旬頃。
暑さが本格的に増してくる時期。
「この川の名称は〜。そしてここで生まれた文字は〜……」
暑さと集中力の無さで授業内容なんて頭に入ってこない。
これからどんな小説を読もうか、それとも行きつけのカフェでゆっくり小説でも書こうか。
なんて考えていると、ツンツンと右隣から肩をつつかれた。なんだろうとチラリと右を見てみると、机に突っ伏して、寝たフリをしている飯島さんが居た。
寝たフリをしているのだろうけど、バレバレなんだよね……。
「……バレてるよ」
そう言ってあげると、いかにも今起きましたよ感をだして、
「え? どうしたの?」
と驚いた声をだした。
僕は面倒くさそうな眼を送ると、バレたと判断したのか、
「え〜。面白くないなぁ……。不知くんならなにか面白い反応をしてくれると思ったのに」
唇を尖らして、全然面白くなさそうに僕を見ていた。
「しょうがないよ、僕は芸能人じゃないから。そんなに面白い反応は期待しないでね」
「え~~! あっ、すみません」
飯島さんが唇を尖らしていたところ、社会科授業担当の松本先生が「飯島さん、不知君、授業中!」と言い、注意した。
僕らの声はかなり大きくなっていたようだ。
僕も、慌ててすみませんと返す。
飯島さんと会わなかったら、怒られる事は無かったな……。
彼女と出会って一番に変わったことは喋る事が多くなったことだなとふと思った。
ブーとまだ唇を尖らしている飯島さんを放って、僕は流石に二度目の注意はマズいと思い、真面目に授業を受けた。
今日習ったことは日本史【旧石器時代〜古墳時代古代の朝鮮半島について〜】だった。
幸い、高校一年生の時の復習も兼ねて、ゆっくりのペースで進んでいたので飯島さんと喋っていた時の内容は【まとめ】の際に確認し、ルーズリーフにまとめた。
来週の月曜日に夏休み直前総合復習テストというのがあるので是非とも400人ほど居る2年生の生徒の中で、50位くらいには入りたいものだ。