ゴールデンウィークがやってきた。
 連休中、鈴木先輩と二人でどう過ごそうか、と思い悩んでいたけれど、それは杞憂に終わることになる。

 と、いうのも。


「先輩」


 朝からずっと自分の部屋に籠り、机に向かっている背中。
 私が彼を呼ぶのは、食事の支度が出来た時だ。そして絶対に反応してくれないのは分かっているから、ドアを勝手に開けて身を乗り出すのがお決まりになっている。


「せーんーぱーいー」


 これまで、呼んだだけで振り返ってくれた試しはない。それでも一応呼び掛けるのは、毎回一縷の望みにかけているからだ。

 仕方なしに諦めて、私はいつもの手段を利用する。
 適当な紙で飛行機を折って、彼の元へ飛ばす。それが結局のところ一番有効だった。


「先輩、お昼食べましょー」

「ああ、悪い。今行く」


 私の飛ばした紙飛行機を手に取り、それを机に置いて彼は立ち上がる。
 一体、あれは何機目の飛行機だろう。かなりの数を飛ばしている気がするけれど、彼の部屋に過去の作品は見当たらない限り、処分されているんだろうか。


「先輩、今日は何か予定ありますか?」