いくら苦手だ、できない、といったって、人間絶対に食事はとらなければならない。
それに彼は一人暮らしだと言っていたし、ある程度どうにかしてきたということだろう。
「そうだな。まあ確かに三食とることはほとんどないから、三食全部コンビニっていうのは言い当て妙か」
「え?」
「栄養ドリンクにも大分助けられてな。ほら、冷蔵庫に入ってたろ、エナジードリンク」
違う。そこは威張るところじゃない。俺しか知らない処世術、みたいな感じで披露するのをやめて欲しい。
「えーと……つまりは、コンビニのお世話になっていたというわけですね」
「ああ。めちゃくちゃ感謝している」
「脱線に脱線を重ねないで下さい」
はあ、と本日何度目かのため息をついて、頭を垂れた。
彼と会話をする度に「何なんだこの人」という感想がグレードアップしていく。
話をまとめると、彼は一人暮らしを始めてからまともな食事をとっていないということになる。
三食コンビニ飯は間違いなく体に悪いと思っていたが、それの格上がいたとは。三食とっていない? 栄養ドリンク? 一周回って何かの健康法だろうか。
「そういうわけで、お前が諸々使ってくれないと、俺は絶対に腐らせる」