「あっ、鈴木先輩ですか!? 大変なんです、いま華が倒れちゃって……!」


 佐藤からその連絡を受けたのは、タカナシの家に滞在して一週間が経った頃だった。
 俺と華の事情は誰にも口を割っていなかったが、佐藤とタカナシは別段聞き出すわけでもなく、ただ俺たちを見守ってくれていたように思う。


「分かった。すぐ行く」


 どんな顔で会いに行けばいいのか。なんて謝ればいいのか。そんな考えより先に、体が動いていた。


「タカナシ。悪かったな、助かった」


 迷惑な友人、否、トラブルメーカーだったろう。
 彼は俺をじっと見つめ、端的に急かした。


「早く行ってあげな」

「……さんきゅ」


 相変わらず淡泊な友人の家を出て、ひた走る。電車を待つのももどかしくて、タクシーを拾った。


「佐藤! 華は!?」


 突然入るなり声を張り上げた俺に、佐藤は肩をびくつかせた。早かったですね、と驚いた彼女が、華の部屋を指して言う。


「いまベッドに寝かせたところです。多分ただの風邪だとは思いますけど……昨日くらいからずっと顔色悪くて。熱があるので、ちょっとしんどそうです」

「そうか。ありがとう」