やばい、図星だ。そしてこうやって迷惑もかけているのだから、何も言えない。
「クーラーつけっぱなしで、腹出して寝てたんじゃないのか」
「……ごめんなさい」
観念して謝ると、先輩が浅く息を吐く。
「お前は自分のことになるとすぐ手ぇ抜くだろ」
勉強に集中しすぎて平気でご飯を抜くような人に、言われたくないんですけども。
内心で憎まれ口を叩いてから、ついでのように弱気な心が顔を出した。
「……だったら、何で一人にしたんですか」
そんなに私のこと観察して、私にバレないところで大事にするくせに。
「先輩もお母さんも、二人で暮らせっていうからそうしたのに……それなのに、私が一緒に住もうって言ったら、どうして駄目なんですか」
「華、」
「私のことが嫌いなら、そう言えばいいじゃないですか!」
まずい。変なリミッターが外れそうだ。
目に水の膜が張って、それを悟られたくなくて、布団を被った。
中途半端に思いやりを差し出さないで欲しい。まるで人の傷つけ方を知らないみたいだ。先輩はそういう人だった。
「……華。俺は、お前のことが嫌いなんじゃない」