「鈴木先輩が華に嫌われようとしてる?」


 例によって、昼休みの教室。
 ここ数日考えていたことをチョコに打ち明けると、彼女は目を瞬かせた。


「そりゃまた、どうしてそんなことに」

「私もよく分かんないけど……何か先輩、私の嫌がることばっかり言ってる気がする」

「せっかく仲直りしたと思えばこの有り様ですかー。骨が折れますなあ」


 その仲直りというのも、実際微妙だ。特に何か線引きがあったわけでもなく、なあなあになってしまっている。


「嫌がることって、例えば?」


 チョコに促され、あまり人に言う内容でもなかったけれど、渋々口を開く。


「……着替え手伝ってやるとか、ご飯じゃなくて私を食べたい、とか……」

「えーッ、結構キモ……っていうか際どいけど、大丈夫そ?」


 いま絶対キモイって言いかけた。普段あんなにかっこいいって持ち上げてたのに。

 まあでも、私だってことあるごとに「気持ち悪い」とはっきり先輩に伝えてはいる。それにも関わらずやめないということは、最早嫌がらせなんじゃないだろうか、と思い始めたのだ。


「慣れてるからまあいいんだけど、」

「いいんだ」