織田信長が家に来てから数日後、彼は今、
僕の部屋でスマホゲームをしている。
彼が今使っているスマホは僕のものだ。
家族に会わせるわけにはいかないし、ましては家の外の人などもってのほかなので、彼は一日中僕の部屋にいる。
けれどずっと僕の部屋にいるのは暇だ。外に出る。
と彼が言ったので、仕方なくスマホを貸し与えたのだ。
彼にスマホを貸す時、僕がスマホの説明しようとすると、彼は言った。
「ああ、説明はいらん。これはスマホじゃろ?何度も見ておる。お前たちが未来から持ってくるからな」
なんと、彼はもう既にスマホを知っていたのだ。
なんなら僕たちの時代よりも先の時代の物まで見たことがあると言っていた。
そういったことがあって今、彼は僕の部屋でスマホゲームをしている。
彼が横でゲームをしている中僕が勉強をしていると、彼が話しかけてきた。
「なあ大河」
「はい、何ですか?」
「ワシ…男じゃよ」
「はい?」
何を当たり前のことを聞くのだろうと僕が疑問に思っていると彼が話を続けた。
「いや、あのな、ワシ今いわゆる歴史系のゲームをしているのじゃが、その中で『織田信長』が出て来たのじゃよ」
「あなたはおそらく日本で1番有名ですからね。大体の歴史系ゲームには出てくると思いますよ」
「それでな、なんと…」
「なんと?」
「ワシ、女なんじゃよ」
ん?
「いや、あなたは男ですよ。鏡持ってきましょうか?」
「いや、ゲームで」
「…ああ、なるほど」
そうだった。
この国日本には『女体化』いう文化があるのだった。
女体化は江戸時代にはすでにその文化が形成されていたのだというのだから、日本人の血は争えない。
江戸、ということは彼が本能寺の変で死亡してから少し後の時代だから彼が女体化を知らないのも無理はない。
「ええと…これは女体化と言いまして」
「女体化…なんじゃそれ?」
「その名の通り男を女にする文化です」
「ええ…なにゆえ?」
「一部の層には需要があるのですよ」
「マジか」
「マジです」
「…」
やはりゲームとはいえ自分が女性にされていることは、許せないのだろうか。
彼は黙っていた。
「それは…」
「それは?」
「面白い文化じゃな!」
「え、嫌じゃないんですか?」
「別に嫌じゃないぞ。むしろワシも天女のコスプレをして女踊りをしたことあるしな」
「それはちょっと…」
この人自分で女体化っぽいことをしてたのか。
「第六天魔王と呼ばれたこのワシを女子の体にするとはな。この時代の奴らも随分と肝が座っておる」
「そうですね」
確かにあの織田信長を女性にするというのはなかなかに勇気がいることかもしれない。
「しかし、ワシを女子の体なんぞにして一体どうするのじゃ?」
「今信長様がやっているゲームのようにゲームに登場させて、男性のプレイヤー数を増やしたりするんです」
「そやつらはワシが元々男だということを知っておるのじゃろ?」
「はい」
「それなのに女のワシに惹きつけられるのか?」
「…はい」
「ワッハッハ!やはりこの時代の者どもも面白いのお!」
面白いんだ…
「いや〜このゲームのワシは随分とべっぴんさんじゃな」
信長様はゲームの『織田信長』に満足しているようだった。
「なるほど、女体化か。面白い文化じゃ」
織田信長はまた一つ現代の文化を覚えた。
僕の部屋でスマホゲームをしている。
彼が今使っているスマホは僕のものだ。
家族に会わせるわけにはいかないし、ましては家の外の人などもってのほかなので、彼は一日中僕の部屋にいる。
けれどずっと僕の部屋にいるのは暇だ。外に出る。
と彼が言ったので、仕方なくスマホを貸し与えたのだ。
彼にスマホを貸す時、僕がスマホの説明しようとすると、彼は言った。
「ああ、説明はいらん。これはスマホじゃろ?何度も見ておる。お前たちが未来から持ってくるからな」
なんと、彼はもう既にスマホを知っていたのだ。
なんなら僕たちの時代よりも先の時代の物まで見たことがあると言っていた。
そういったことがあって今、彼は僕の部屋でスマホゲームをしている。
彼が横でゲームをしている中僕が勉強をしていると、彼が話しかけてきた。
「なあ大河」
「はい、何ですか?」
「ワシ…男じゃよ」
「はい?」
何を当たり前のことを聞くのだろうと僕が疑問に思っていると彼が話を続けた。
「いや、あのな、ワシ今いわゆる歴史系のゲームをしているのじゃが、その中で『織田信長』が出て来たのじゃよ」
「あなたはおそらく日本で1番有名ですからね。大体の歴史系ゲームには出てくると思いますよ」
「それでな、なんと…」
「なんと?」
「ワシ、女なんじゃよ」
ん?
「いや、あなたは男ですよ。鏡持ってきましょうか?」
「いや、ゲームで」
「…ああ、なるほど」
そうだった。
この国日本には『女体化』いう文化があるのだった。
女体化は江戸時代にはすでにその文化が形成されていたのだというのだから、日本人の血は争えない。
江戸、ということは彼が本能寺の変で死亡してから少し後の時代だから彼が女体化を知らないのも無理はない。
「ええと…これは女体化と言いまして」
「女体化…なんじゃそれ?」
「その名の通り男を女にする文化です」
「ええ…なにゆえ?」
「一部の層には需要があるのですよ」
「マジか」
「マジです」
「…」
やはりゲームとはいえ自分が女性にされていることは、許せないのだろうか。
彼は黙っていた。
「それは…」
「それは?」
「面白い文化じゃな!」
「え、嫌じゃないんですか?」
「別に嫌じゃないぞ。むしろワシも天女のコスプレをして女踊りをしたことあるしな」
「それはちょっと…」
この人自分で女体化っぽいことをしてたのか。
「第六天魔王と呼ばれたこのワシを女子の体にするとはな。この時代の奴らも随分と肝が座っておる」
「そうですね」
確かにあの織田信長を女性にするというのはなかなかに勇気がいることかもしれない。
「しかし、ワシを女子の体なんぞにして一体どうするのじゃ?」
「今信長様がやっているゲームのようにゲームに登場させて、男性のプレイヤー数を増やしたりするんです」
「そやつらはワシが元々男だということを知っておるのじゃろ?」
「はい」
「それなのに女のワシに惹きつけられるのか?」
「…はい」
「ワッハッハ!やはりこの時代の者どもも面白いのお!」
面白いんだ…
「いや〜このゲームのワシは随分とべっぴんさんじゃな」
信長様はゲームの『織田信長』に満足しているようだった。
「なるほど、女体化か。面白い文化じゃ」
織田信長はまた一つ現代の文化を覚えた。