さらさらと葉擦れの紡ぐ音に耳を傾けながら読書をする。初夏の図書館は静けさに包まれていた。



ここは辺境にある小さな町の勿忘草図書館。自分の紡いだ物語や詩などを置くこともできれば、気に入った物語をお迎えすることもできる。そのため活字をこよなく愛する者たちはみんなここが大好きだった。



図書館には広い庭があって、そこにはハーブや季節の花がいつも庭を彩っている。休憩場所としてベンチも設けられており、雨の日でも大丈夫なように屋根もちゃんとついている。



そして。