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翌月行われたお楽しみ会は大盛況にうちに幕を閉じた。歌の歌詞を間違えた女の子が泣き出したり、緊張のあまり曲紹介がしどろもどろになった下級生もいたけど、それはそれで見に来た地元の人たちを沸かせた。そんななかで始まったぼくたちの劇は滞りなく進んだ。かくいうぼくも一度もセリフを間違えることなく、つっかえこともなくちゃんと主役をこなした。

あれから10年。ぼくはこの街で元気に暮らしている。


「ねえ、いちごドーナツ、まだぁ?」
「あ、うん。い、いまできる」
「友則は相変わらず遅いんだから」


大学生になったモモネはアルバイトとしてあったか☆ドーナツの売り子をしている。経営学部に進んだモモネは卒業後は家業の不動産業を継ぐらしい。だからいまのうちに羽を広げてやりたいことをやるんだとか。

ぼくは地元の農業高校に進んで食物科の勉強をした。地元産の小麦を使った地元愛あふれるドーナツの開発……といえば聞こえはいいけど、小さなテナント事務所を改造してキッチンを作り、ドーナツの製造をしている。ウォーリーさんに雇われたのだ。