「う~ん······」
 私リディアは小鳥の声と太陽の光で目が覚めた。
「あれ?此処は何処?」
 私は辺りをキョロキョロと見回した。
「確か私、魔王を倒す為に旅をしていたんだっけ? それで魔王城までやって来て魔王を封印したんだよね······」
 そう、私は国から勇者パーティーの一員として魔王を倒す旅に出た。
 勇者レイン、魔法使いカルアン、戦士ホービス、そして私を含めた4人で魔王城を目指して旅をした。
 そして、魔王城にやって来て私達は魔王を倒した、と言うか私が封印した。
 魔王を完全に倒す事は出来ない、出来る事と言えば魔王を封印する事ぐらいだ。
 私は魔王を封印する呪文を唱えて鏡に魔王を封印して札を貼った。
「あぁ~、そこで力を使いきって倒れちゃったんだ······」
 そうだ、そこで私は倒れたんだ。
「あれ? じゃあ私······、置いてけぼりにされた?」
 いやいや、おかしいでしょ?
 普通は私を背負って一緒に脱出するとかするでしょ?
 それなのに置いてけぼりって······。
 しかし、よく考えてみれば私の扱いってかなり雑だったんだよね。
 私は平民出身だったけど勇者達は貴族だし、一応女だから優しくはしてくれたけど心は籠ってなかったし······。
 仲間意識と言うのはなかったなぁ、紅一点だったのに······。
「とりあえず、此処から出ましょうか」
 私は立ち上がり廃墟と化した魔王城を跡にした。