◇ ◇ ◇
最寄り駅で電車を降りた陽茉莉は、鞄からスマホを取り出した。画面を確認すると、時刻は既に深夜の十一時を回っている。
駅から相澤のマンションまでは徒歩十分ほどだ。
陽茉莉は足早に家路を急ぐ。
「思ったより遅くなっちゃったな」
本当は十時前に帰宅するつもりだったのだけど、久しぶりに行ったハーフムーンでの潤ちゃんとの会話が楽しくて、ついつい長居してしまった。
スマホを鞄にしまって顔を上げると、空に浮かんだまん丸の月が目に入った。
「そっか。今日は満月か」
闇夜に浮かぶお皿のようなそれを見上げ、陽茉莉は独りごちる。どうりで今日は夜なのに空が明るいと思った。
最寄り駅で電車を降りた陽茉莉は、鞄からスマホを取り出した。画面を確認すると、時刻は既に深夜の十一時を回っている。
駅から相澤のマンションまでは徒歩十分ほどだ。
陽茉莉は足早に家路を急ぐ。
「思ったより遅くなっちゃったな」
本当は十時前に帰宅するつもりだったのだけど、久しぶりに行ったハーフムーンでの潤ちゃんとの会話が楽しくて、ついつい長居してしまった。
スマホを鞄にしまって顔を上げると、空に浮かんだまん丸の月が目に入った。
「そっか。今日は満月か」
闇夜に浮かぶお皿のようなそれを見上げ、陽茉莉は独りごちる。どうりで今日は夜なのに空が明るいと思った。