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 ドアを開けると、温かな色合いのランプに照らされたシックな店内が見えた。六席あるカウンター席の奥二席には、カップルと思しき男女が座っている。

「いらっしゃいませ」
「こんにちは」
「あらぁ。陽茉莉ちゃん、久しぶりじゃない!」

 カウンターの奥で何かの作業をしていた潤ちゃんは、陽茉莉に気が付くと表情を明るくする。陽茉莉は潤ちゃんにはにかんだ笑顔を見せると、カップルとは一番離れた入口側の椅子に座った。

「ここ最近、あんまり来てくれなかったから、嬉しいわぁ」