「ただいま」

 リビングダイニングを開けると、軽く声をかける。ちょうど食事の最中だった悠翔と陽茉莉がタイミングを合わせたかのように「お帰りなさい」と言った。

「係長。すぐ用意するから、ちょっと待っていてくださいね」

 陽茉莉は立ち上がるとキッチンへと向かう。

「お兄ちゃん! 僕ね、今日、上手に縄跳びできたよ」
「へえ、すごいじゃないか」

 相澤が悠翔の頭をぽんぽんと撫でると、悠翔は嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。