(なんか、嬉しいな)

 十五分もあれば作れてしまうようなお手軽料理なのに、こんなに喜んでもらえるなんて。
 また今度作ってあげようと、陽茉莉は頬を緩めたのだった。


    ◇ ◇ ◇


 その日の日中、陽茉莉は悠翔を連れて、歩いて十五分ほどの場所にある大きな公園へと遊びにいった。

 前方に見える芝生広場では、周辺に住む人達が思い思いに余暇を過ごしていた。大学生風のグループや、小さな子供を連れた家族連れ、ヨガマットを持ってきてひとりでヨガをしている人も。