「わあ、これフレンチトースト?」

 悠翔はこちらに駆け寄ると、テーブルの上を見て目を輝かせた。

「そうだよ。悠翔君、好き?」
「大好き!」

 悠翔は満面の笑みを浮かべる。そして、一口食べると「美味しい!」と大喜びしてくれた。

「よかったな、悠翔」

 相澤はその様子に目を細めると、悠翔の頭を撫でる。
 会社で時折見せる、ちょっと作り物っぽい爽やかな笑みとも違う、優しい笑顔だった。