このマンションに住んでから陽茉莉が知る限り、相澤の両親はふたりともいないように見えた。
(おふくろがいなくなってから、って言っていたから、少なくともお母さんはいないんだよね?)
なんとなく聞きづらくて聞けない。
悠翔はまだ小さい。男手ひとりで幼い弟を育てるのは大変だろうな、と思う。
「そうだ。新山が持ってるお守りって、今ある?」
「お守り? ありますよ」
なぜそんなことを聞いてきたのだろうと、陽茉莉は振り返って首を傾げる。
(おふくろがいなくなってから、って言っていたから、少なくともお母さんはいないんだよね?)
なんとなく聞きづらくて聞けない。
悠翔はまだ小さい。男手ひとりで幼い弟を育てるのは大変だろうな、と思う。
「そうだ。新山が持ってるお守りって、今ある?」
「お守り? ありますよ」
なぜそんなことを聞いてきたのだろうと、陽茉莉は振り返って首を傾げる。