◆◆ 2
午後五時半。
終業ベルが鳴ると、陽茉莉はいそいそと帰り支度を始める。
鞄に荷物を詰めていると、隣の席の楠木さんがちらりとこちらを見る。
「新山さん、ここ最近彼氏でもできた?」
「え!? できてないですよ。なんでですか?」
陽茉莉はドキリとして、聞き返す。どこかで相澤と一緒に住んでいることが漏れて、探りを入れられているのかと思ったのだ。
「違うんだ? 今週に入ってから、毎日終業ベルが鳴ると急いで帰っているから、彼氏と約束でもしているのかなって思ったの。先週までは結構遅くまで残っていたよね?」
(あ、そういうこと……)
午後五時半。
終業ベルが鳴ると、陽茉莉はいそいそと帰り支度を始める。
鞄に荷物を詰めていると、隣の席の楠木さんがちらりとこちらを見る。
「新山さん、ここ最近彼氏でもできた?」
「え!? できてないですよ。なんでですか?」
陽茉莉はドキリとして、聞き返す。どこかで相澤と一緒に住んでいることが漏れて、探りを入れられているのかと思ったのだ。
「違うんだ? 今週に入ってから、毎日終業ベルが鳴ると急いで帰っているから、彼氏と約束でもしているのかなって思ったの。先週までは結構遅くまで残っていたよね?」
(あ、そういうこと……)