「新山、ちょっといいか?」
パソコンに向かって明日訪問予定の営業先の資料を作成していると、不意に声をかけられた。
振り返ると、そこにいたのは陽茉莉の上司である、係長の相澤礼也だ。
整髪料で自然に整えられた短いストレートヘア、こちらを見つめるのは焦げ茶かかった切れ長の瞳、高い鼻梁はご先祖様に外国の方の血でも混じっているのかと思うほどだ。おまけに身長も一八〇センチ近く、まさにモデル体型である。
「今日の四時半に訪問予定のブライダルサロンに持って行く予定の資料だけど──」
多くの女性社員を虜にする爽やかさを振りまきながら喋り始めた相澤に、陽茉莉はすぐに嫌な予感がした。
「──ってことで、ちょっと気になるから、直してくれる?」
相澤は印刷した陽茉莉作成の資料を差し出す。受け取って一枚開くと、めまいがしそうなほど赤字が書き込まれていた。
「でも、後二時間──」
「二時間か。うん、新山なら大丈夫だよ」
パソコンに向かって明日訪問予定の営業先の資料を作成していると、不意に声をかけられた。
振り返ると、そこにいたのは陽茉莉の上司である、係長の相澤礼也だ。
整髪料で自然に整えられた短いストレートヘア、こちらを見つめるのは焦げ茶かかった切れ長の瞳、高い鼻梁はご先祖様に外国の方の血でも混じっているのかと思うほどだ。おまけに身長も一八〇センチ近く、まさにモデル体型である。
「今日の四時半に訪問予定のブライダルサロンに持って行く予定の資料だけど──」
多くの女性社員を虜にする爽やかさを振りまきながら喋り始めた相澤に、陽茉莉はすぐに嫌な予感がした。
「──ってことで、ちょっと気になるから、直してくれる?」
相澤は印刷した陽茉莉作成の資料を差し出す。受け取って一枚開くと、めまいがしそうなほど赤字が書き込まれていた。
「でも、後二時間──」
「二時間か。うん、新山なら大丈夫だよ」