「動けない部下を放置するような鬼畜だと思われているなら、結構ショックなんだが?」
「はい、すいません」

 ぎろりと睨まれると、それ以上反論できるわけもなく。
 そして、こうして傷の手当てまでしてもらったわけである。

(それにしても、いいところに住んでるなー)

 相澤がお茶を用意してくれるというので、待っている間に陽茉莉は室内をきょろきょろと見回す。

 モダンスタイリッシュスタイルというのだろうか。
 目寸で十五畳程度のリビングダイニングの壁には大型テレビ、家具はメタリック調のシンプルなもので統一されている。窓際には観葉植物が置かれていた。