◆◆ 4
消毒液の独特の匂いが、スンと鼻孔を掠める。
「ちょっと染みるけど我慢して」
「はい」
次の瞬間、飛び上がりそうな痛みが走る。
この『ちょっと染みるけど──』って下り、小さな頃からよく聞くけれどちょっとだった試しがない。
「はい。できたよ」
「何から何まで、本当にすみません……」
陽茉莉は立ち上がって絆創膏のごみを捨てている相澤に、謝罪する。
腰を抜かした陽茉莉のことを、相澤はおんぶして自宅まで連れて帰った。書類を渡したら用事は済むのでタクシーを拾ってくれと頼んだが、却下されたのだ。
消毒液の独特の匂いが、スンと鼻孔を掠める。
「ちょっと染みるけど我慢して」
「はい」
次の瞬間、飛び上がりそうな痛みが走る。
この『ちょっと染みるけど──』って下り、小さな頃からよく聞くけれどちょっとだった試しがない。
「はい。できたよ」
「何から何まで、本当にすみません……」
陽茉莉は立ち上がって絆創膏のごみを捨てている相澤に、謝罪する。
腰を抜かした陽茉莉のことを、相澤はおんぶして自宅まで連れて帰った。書類を渡したら用事は済むのでタクシーを拾ってくれと頼んだが、却下されたのだ。