「それもいいね。でも、それだけ?」

 目の前にはまっすぐに自分を見下ろす相澤がいるわけで。

(掃除も頑張っちゃいます、で許される?)

 パチッと目が合って、相澤に蕩けるように微笑みかけられた。
 その瞬間、「あ、許してもらえなそう……」と直感的に悟る。

「陽茉莉、覚悟して」
「む、無理です!」

 あやかし上司との契約同居の延長戦は、これまで以上にドキドキが収まらなそうだ。
 
〈了〉