相澤が額に手を当てて顔を覆う。そして、その手が下りたとき、相澤はどこか黒い笑みを浮かべて陽茉莉を見つめていた。

「なあ、陽茉莉。俺は自分が間違っていたことに気付いたよ。だから、これからは遠慮なしにいこうと思う」
「……行くって、どこに?」
「陽茉莉。本気でそれ、言ってるの?」

 握られたままの手をぐいっと引き寄せられ、いつの間にかソファーに座ったままの状態で相澤に囲い込まれていた。

「男が何の下心もなしに女を自宅に住まわせるなんて、あり得ると思う?」

 一般的にはあり得ない気がしますけど、超高スペックのあなたに関してはあり得ると思っていました。
 なーんてことを言えるはずもなく、陽茉莉はただただ目を見開いて相澤を見つめる。