陽茉莉は驚いて相澤を見返す。
まさか、こんなに頭ごなしに否定されるなんて思っていなかった。むしろ、厄介ごとが減ったと喜ばれると思ったのに。
「親父は時々帰ってくる。だが、帰ってきても俺と悠翔の顔を見たら、その日のうちに次の場所に移動する。今回も同じだ」
「そうなんですか?」
なら、親子水入らずの邪魔にはならないだろうか?
でも……、と陽茉莉は思い直す。
「でも、礼也さんは私がずっとここにいると迷惑でしょう?」
相澤は不機嫌そうに眉根を寄せた。
「迷惑なはずないだろう。俺にはお前が必要だ」
陽茉莉の胸はドキンと跳ねる。