陽茉莉は相澤に回していた腕を緩めると、代わりに少し胸を押した。それに合わせてふたりに少し距離が生まれ、陽茉莉と相澤の目が合った。

「だって、絶対に礼也さんが守ってくれるんでしょう? それに、仕事はチーム戦じゃないですか」

 いつだかに相澤が言った言葉をそのまま返すと、相澤の目が大きく見開かれる。
 そして、参ったと言いたげに微笑んだ。

「ああ、もちろん。陽茉莉のことは、俺が守る」

 大きな手が頬を包む。
 こちらをじっと見つめる焦げ茶色の瞳に、トクンと胸が跳ねるのを感じた。

 ゆっくりと近付く秀麗な顔から、目が離せない。