走りながらも慌てて鞄を探っていると、後ろからドンと衝撃を受けた。陽茉莉はその拍子に前に倒れた。

 ──カランカラン。

 弾みで手に持っていたスマートフォンが投げ出され、数メートル先に弾き飛ばされる。

「ツカマエタ」
「ひっ!」

 咄嗟に立ち上がろうと上半身を起こしたタイミングで、にたりと笑う小男が足首を掴む。

 恐怖のあまり声が出ない。

(怖い! 誰か!)