「新山ちゃん、大人気だね。ここ最近、急激に神力上がってるんじゃない? 訓練効果かな?」

 高塔が呑気に呟きながら、一番近くにいた邪鬼に祓除札を投げる。それも見事に命中し、周囲にいた邪鬼は怯えたように身を隠した。

「ここにはいなさそうだな」
「まだ近くにいるかもしれないから、私、この辺一帯をぐるりと回ってみます」

 陽茉莉は辺りを見渡し、まだ歩いていない方向へと歩き始める。

 そのとき、ぞくりと冷たいものが背中に走るのを感じた。

「ステキネ。ソノカラダ、ワタシニチョウダイ」