陽茉莉はキーボードを叩いて社内スケジューラを開くと、相澤の行き先予定を確認する。

「明日はお客様のところに直行? あー、最悪……」

 これは陽茉莉の失態のせいで、お客様に大変なご迷惑をかけてしまうことになる。
 寝不足でぼんやりしていて、確認がおろそかになっていた。

「これは、届けに行くしかないよね……」

 陽茉莉は疲れた体に鞭打ってすっくと立ち上がると、とぼとぼと会社を後にした。