全面ガラスになった大きな窓からは、都心の景色が一望できた。
 運河の向こうにある煌めくビル群の合間からは、東京タワーと東京スカイツリーの両方を眺めることができた。

「ここ、夜景が本当に素敵ですね」
「そうだな」

 陽茉莉の言葉に反応するように外の景色へと目を向けた相澤が、目を細める。

「最上階にバーがあるみたいだけど……。悠翔を置いて飲みにも行けないから、ルームサービスでも頼む? せっかくだし」

 相澤はローテーブルの端に置かれたルームサービスメニューを手に取ると、陽茉莉を見つめる。

「そうですね」