相澤はガシガシと頭を掻く。
「うーん。でも、よくよく考えると、このホテルがいいって言い出すのは女性側のような気がしますね。だから、やっぱりそれでいいかもしれないです!」
陽茉莉は少し考えて、そう言った。
「今さっき見たら浴室が結構広かったから、バラのバブルバスとかどうでしょう? あれなら浴槽を傷めないし」
「確かにいいな。特別な非日常感が味わえる」
「ですよね!」
陽茉莉は自分のアイデアを褒められ、パッと表情を明るくする。
部屋を見ながら、次々とアイデアが湧いてきた。
正直なところ、今日の今日まで陽茉莉は自分自身でカノンリゾート東京に泊まることまでする必要あるのだろうかと疑問に思っていた。けれど、実際に泊まってみるとこれまでより遥かに具体的に提案イメージが湧いてくる。