さらに、唇で触れた肌のなめらかさや鼻孔をくすぐった甘い香りまで。
本当なら、あのまま組み敷いて優しく蕩けさせてしまいたかった。貪るようなキスをして、白い肌に余すところなく唇を這わせ、甘く鳴かせて──。
そこまで考えて、相澤はハッとする。
「やべぇ……。重症だ」
これはもう、寝たほうがいい。そうしないと、今夜は自分が何をやらかすか、制御できる自信がない。
相澤は溜息を吐き、首を振るとのそのそと起き上がる。
自室の向かいにある陽茉莉の使っている部屋のドアからは、ほんのりと光が漏れていた。
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