(うふふっ、ふわっふわ)

 このふわふわ具合は元々なのだろうか。それとも、カノンリゾートへの提案対策のために最近毎日のように日替わりで使用しているあの試供品達の効果なのだろうか。

 あまりの触り心地のよさに、陽茉莉は思わず体を屈めてもしゃもしゃと毛並みを撫で回した。
 その瞬間、視界がぐるんと回転する。

「きゃっ!」

 驚いて悲鳴を上げた陽茉莉は、次の瞬間別の意味で驚いた。
 いつの間に人間に戻ったのか、眼前にこちらを見下ろす相澤の顔が迫っていたのだ。