潤ちゃんは意味ありげにウインクする。
陽茉莉はおずおずとそのカクテルを口に含む。
オレンジジュースの甘さとシャンパンのシュワシュワが混じり合い、大人向けのオレンジソーダのような味わいだった。
「ありがとう。また来るね」
「ええ、いつでも大歓迎」
潤ちゃんはひらひらと手を振る。エレベーターの中に消えた陽茉莉の後ろ姿を見送り、ひとり口の端を上げた。
黄色のミモザの花言葉は〝秘密の恋〟。
まさに、今の陽茉莉に贈るにはぴったりのカクテルだ。
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