陽茉莉はありがたい申し出に、眉尻を下げる。

「子供? 彼の?」

 潤ちゃんは驚いたように目を見開く。

「いえ、彼の弟です。まだ八歳なんですよ。実は、居候する代わりに普段は私が面倒見ています」
「ああ、驚いた。でも、随分と歳が離れているのね?」
「そうですね。若いときの子供と、年取ってからの子供みたいですよ」

 答えながら、陽茉莉も確かにそうだなと思った。二十七歳の相澤に対して、悠翔はまだ八歳。滅多に見かけないレベルの歳の差だ。
 陽茉莉も最初は、母親が違うのだと思っていた位だ。

「それなら仕方がないわね。残念」