そこまで言いかけて、ハッとする。
 そうだ。あの日の夜は、相澤が陽茉莉をここまで迎えに来てくれたのだった。忘れていた羞恥心が甦る。

「あの日はご迷惑をおかけしました」
「いいえ、いいのよー。イケメンを見られて、こっちも眼福だったわ」

 潤ちゃんは右手を口元に当ててけらけらと笑いながら、左手を振る。

「猫な彼に聞いたけど、一緒に住んでるんですって?」
「あ、はい。でも、居候なんです」
「居候?」

 潤ちゃんが不思議そうな顔をする。