高塔と陽茉莉は同時に顔を見合わせる。

「そんなに神力強いのに、少しもコントロールできないの?」
「できませんけど?」

 陽茉莉は当然のように答える。コントロールも何も、それがあるということすら自分ではよくわからない。

「…………」

 ふたりの間に微妙な沈黙が流れた。

 簡単だと聞いていた祓除師の修行だけれど、実は前提条件が違う気がする。

「もしかして、私には無理ですか?」

  高塔の反応を見て、陽茉莉は本当に自分にもできるのだろうかと不安を覚えた。