「こんにちは」
「ああ、こんにちは」
どこかにメッセージを送っていたようで、メッセージアプリの画面がちらりと見えた。高塔はそれを素早く閉じると、陽茉莉に前の席に座るように勧める。注文してすぐに、店員さんがほうじ茶ラテを運んできてくれた。
「訓練って、何をするんでしょう?」
「そんなに畏まって緊張しないでよ。難しいことはないから」
もしかして、滝に打たれる修行だったらどうしよう。そんな想像をして表情を固くしていた陽茉莉を見つめ、高塔は苦笑する。
「これ、ちょっと見てくれる?」
高塔は鞄からクリアファイルを取り出し、そこに挟んでいたメモ帳のようなものを陽茉莉の前に並べる。



