「そんなことなら、もう片足突っ込んでいます! だって、普通の人間なのに変なお化けは見えるわオオカミ兄弟と同居するわ、今はこうやって狐のあやかしとランチしているし。手遅れです!」
陽茉莉は両手をテーブルに突くと、ずいっと身を乗り出して高塔に迫る。
すると、高塔は陽茉莉を見つめたままふっと表情を和らげた。
「わかったよ。そこまで覚悟があるなら、修行すればいい。ただ、本当に祓除師になるかどうかはその修行の結果次第だ」
「本当ですか?」
陽茉莉はパッと顔を明るくする。
「ああ。今週末の土曜日、この前来てくれた八幡神社のカフェで待ち合わせでどう? 時間は……二時くらいがいいかな」
「今週末の土曜日、二時にこの前のカフェですね」