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陽茉莉は足早に家路を急ぎながら、赤いお守りを握りしめる。

 あの男の子にもらったこのお守りを持っていると、あのおかしな化け物達に会うこともないし、怖い思いもすることがない。

 そう気が付くまでに時間はかからなかった。
 それに気付いて以来、陽茉莉はいつも肌身離さずこのお守りを持ち歩いている。

 けれど、数ヶ月前から、またおかしな声が周囲から聞こえてくるようなった。それに、人ならざる者を見かけることも。

 さらに、ここ一ヶ月はほぼ毎日になってきた。
 彼らは遠巻きに陽茉莉を見つめ、物欲しげな顔をする。

(また襲われたらどうしよう……)

 幼い日の恐怖心が甦る。