「新山、ありがとうな」

 にこりと微笑まれ、茶色の瞳が優しく細まった。なぜか急激な気恥ずかしさを覚える。

「いえ、いつもお世話になっていますからっ」

 陽茉莉は慌てて自分の胸の前で両手を振ると、そそくさとキッチンへと戻る。

(明日は仕事だし、夕ご飯の準備をしちゃおうかな)

 陽茉莉は冷蔵庫を開けると、人参とジャガイモ、たまねぎを取り出してカレーを作る準備を始める。
 一時間ほど経っただろうか。

「うん、美味しい。これで一晩おけば完璧!」