「お姉ちゃん、入れすぎじゃない?」

 悠翔の声がしてハッとする。気付は、計量スプーンからボタボタとみりんが零れ落ちていた。

「あー。いけない! 大丈夫かな……」

 陽茉莉は慌ててバッドの中の調味液をスプーンで掬って舐める。少し甘みが強いが、醤油を足せば何とかなりそうでほっとした。

「じゃあ、悠翔君の剥いてくれたショウガをすりおろしてこの中に入れまーす」
「はーい」

 悠翔は得意げに、剥きたてのショウガを高く持ち上げた。