「お兄ちゃんに、僕が剥いたんだよって教えてあげる」
「そうだね。お兄ちゃん、びっくりしちゃうね」

 陽茉莉はくすくすと笑いながら、相槌を打つ。そして、壁際の掛け時計へと視線を移した。

(係長、遅いな)

 今日、八幡神社で神使の詩乃から指令を受けた高塔と相澤は、陽茉莉達と別れた後にあやかし退治に向かってしまった。今頃、退治するあやかしを捜している、もしくは退治した頃だろうか。

(神力か……)

 陽茉莉は醤油とみりんをバッドに入れながら、考える。今日、高塔からは本当に色々な話を聞いた。