「え、まじで? 俺、ちょっと礼也に同情した」

 何を言っているんだ、この人は。
 格好よくて仕事もできるイケメン副課長──高塔一馬のイメージは陽茉莉の中ですっかりと消え去った。

「ところで、高塔副課長はなんでここに?」
「え? 礼也のやつ、本当に新山ちゃんに何にも話していないんだな」
「会社に入社する前からの知り合いだって言うのは、噂で聞いていますけど?」

 高塔が驚いたような顔をしたので、陽茉莉は首を傾げる。以前に仲良しの同期、若菜から高塔と相澤が旧知の仲であることは聞いている。

「入社する前からも何も、生まれたときから知ってるよ。それこそ、おむつのときから」