陽茉莉はここに来るとき、駅から表参道を通って来た。しかし、実は裏参道もあるようで、社の裏手には道が続いていた。

「こんなところに美味しそうなレストランがある。カフェかな?」

 境内から裏参道へ出てすぐの位置には、お洒落な雰囲気のカフェがあった。
 道路側の壁が全面ガラス張りになっており、その合間の上下に欄間のような装飾が施されている。空いているガラス越しにウッドテイストな店内の内装が見えた。

 こんなわかりにくい場所にありながらも意外と人気があるようで、店内は半分以上が埋まっていた。

「あのお店のプリンが美味しいんだよ」
「そうなの? じゃあ、せっかく来たし、食べて帰ろうか」