「お兄ちゃんと一緒にいたかったの?」 悠翔は床に突っ伏したまま、ぶんぶんと首を振る。どうやら、相澤と一緒にいたくて駄々を捏ねたわけではないようだ。 「お兄ちゃんが行く場所に行きたかったの?」 今度は首がこくこくと動く。 (そういえば、相澤係長ってどこに行ったんだろ?) 邪鬼の退治に関することだとは予想がつくけれど、具体的な場所は一切知らされていなかったことに気付く。