「どうした?」

 陽茉莉が自分のほうを眺めたまま立っていることに気付いた相澤は、顔を上げると怪訝な表情を見せた。

「私も、お手伝いしましょうか? 男の人と女の人だと、同じ商品でも使った感じ方が違うと思うんです」

 陽茉莉はおずおずと相澤にそう申し出た。
 須山課長も、相澤のことを部員で支えてほしいと言っていたし、自分でもそうするべきだと思ったのだ。

「本当か? 助かる。顧客のターゲット、女性のほうが多いと思うんだ」

 相澤は表情を明るくすると、嬉しそうに微笑んだ。