なおも不安で相澤を見上げると、眉根を寄せた彼はポンっと狼に姿を変える。 そして、陽茉莉の部屋の床の絨毯の上で丸くなった。 (ここで寝てくれるのかな) 陽茉莉はそれを見てようやくほっとした。 (今日は色んなことがあったな) 急激に疲れを感じて、眠気が押し寄せてくる。陽茉莉は枕に頭を預けると、目を閉じる。 「これはちょっと……、キツいな」 完全に意識が遠のく寸前、相澤が途方に暮れたように呟く声が聞こえた気がした。